「地方で保活は必要ない」と思っていたら全落ちした話

忘れもしない2018年12月19日。我が家に認可保育園申込の結果が届きました。
筆者は育休明けの入所予定で、娘の保育園の申込みをしていました。

しかし、届いた封筒に入っていたのは『保育所入所保留通知書』…。

つまり、保育園落ちたんです。第3希望まで全て!!

筆者は地方在住ですが、地方だから保活は不要、というわけではありません。

今回は、まさかの保育園全落ちを経験した筆者が、体験談を本音を交えつつ、保育園はどんな選び方をしたらよいのか、いつくらいから準備するべきなのか、心構えはどうすべきかなど、保活をめぐるお話をしていきたいと思います。

8年前と現在‐保活の温度差

筆者は8歳の息子と0歳の娘、年の差兄妹の母です。

息子の時と娘の時、保育園をめぐる事情もだいぶ変わっていました。ここでは8年前と現在の比較をしてみたいと思います。

2010年-息子の時

息子を出産する時、筆者は今で言うマタハラにあい、仕事を辞めて無職でした。「1人目だし、しばらくは育児に専念しよう」という気持ちから、保育園入所を考え始めたのは息子が1歳をむかえてからです。

いくつかの園を見学をした結果、夫が卒園した保育園を第1希望の園として申し込むことにしました。

「保活」という言葉すら知らなかった

当時は『保活』なんていう言葉も知らず、唯一、年度途中入所より4月入所の方が入りやすいとの情報から、息子が1歳7か月にをむかえる4月の入所希望で申し込みました。申込み当時、筆者は『求職中』、これから仕事を探します、という状態でした。幸いすぐに4月からの仕事が内定し、『就労予定』に変わったのですが・・・。

そんな状態でも、保育園に落ちる心配なんてほぼしませんでしたし、結果、息子は第1希望の園の1歳児クラスに入園できました。

あとから1歳児クラスは入るのが難しいと聞き、「保育園って落ちることもあるんだ~。」と思ったことを覚えています。

2018年-娘の時

息子の保活がラッキーだった筆者、娘の時はその甘えが仇となりました。

『保活』という言葉は、もちろん耳にしたことはあります。でもそれは、都心部で起きていることで、地方在住の筆者にとっては、他人事だと思っていました。

娘の出産時、筆者はフルタイムのパートでした。娘の出産がちょうど保育園入所申込期間と重なっており、産後のボロボロの体で、新生児のお世話をしながら、申込書を仕上げて提出しに行くのは、正直とても大変でした。出産との時期が重なるママには、何か支援策があってもいいのでは?と思うほどでした。

いちおう第2・第3希望も記入して提出した

娘の時も、第1希望を息子が卒園した園にしました。園の雰囲気や指導方針にも納得できていましたし、年間行事などの流れが分かるという安心感もありましたし、保育園で必要なグッズは上の子の物がありましたから。

どうしても第1希望の園でないと嫌な場合、第1希望しか書かずに提出する人もいると聞いたことがあり、第2・第3希望は空欄で提出しようかとも思いましたが……万が一のことも考えて、第2・第3希望も記入しました。

これは何かの間違いか…?まさかの全落ち

とはいえ第1希望に入れると信じて疑わなかったので、見学すら行きませんでした。働いているから絶対に入れるはず…。そう信じて疑いもしなかったのです。

それなのに、結果はなんと全落ち!

まさに茫然自失。 入所保留通知を握りしめながら、脳ミソ半分停止状態。でももう半分は、これは何かの間違いかも。まず何をどうしたらいいんだろう。今後のことを考えてフル回転です。

2018年12月19日。この日から筆者の本気の第2次保活が開始されました。クリスマスも年末年始もないぞ!!

保育園に落ちた筆者がやったこと

『保育園落ちた、日本死ね。』

皆さんご存知のワードです。都市部の保活がどれだけ厳しいのか、世間に知らしめる役割を果たしましたよね。筆者も本気で思いました。 『保育園落ちた、○○市死ね。』と。

でもいつまでも落ち込んではいられない。次に向けて動かなければ。もうすぐ年の瀬、世間が年末年始休暇に入る前に動こう!

心に鞭打って、筆者は以下の行動に出ました。

保健センターに直談判

まず保健センターへ出向き、通知が間違いでないか確認しました。もちろん間違いではなく…。さらに衝撃の事実が明らかに!

選考基準点数表とは

保育園は、選考基準点数表なるものにより、その点数が高い家庭から順に入所できます。我が家は一体なぜ落ちたのか。それが分からないことには納得できない!と訴えると、以下の事実を教えてくれました。

第1希望の園は、定員の2倍以上の応募があり、まあぼさんは下から数えて4番目の点数だったんですよ、と。とにかく驚き、ほぼフルタイムで働いているのに?じゃあどんな人たちが入れてるんですか?と聞くと、「入れている方々には加点要素があるので…」と。

加点要素とは、先に述べた選考基準点数表をもとに加点される項目のことであり、該当児童が第3子であるとか、兄弟が希望の園に在園しているとか、4月入所であるなどの要素です。我が家は第2子だし、 上の子は卒園児ではあるけれど在園児ではないし、 年度途中の入所だし…まったく加点要素がないんだそうです。ただ共働きだというだけ。市役所が言うには、今年はそれだけじゃ全然ダメなんですよね~と。

誠意のない職員の態度に激怒

じゃあ仕事辞めろっていうんですか?どうしろっていうんですか?一家で路頭に迷えって言うんですか?そもそも選考の仕方がおかしいんじゃないですか?…取り合ってもらえない悔しさから、矢継ぎ早にまくし立ててしまいました。

しかし、「そういったご意見がありましたことは上司にも伝えますので…」と言うだけ。いやいや、あなたメモも何も取ってないじゃない。上司に伝わるわけないし、困って相談に来た人がいたという事実さえ、記録に残さないつもりですか?今後選考基準を見直すとか、本当に困っている人に支援をするとか、行政のできることはまだまだたくさんあるでしょう……と、いろんな感情が渦巻きます。

不服申立はする意味ない!?

さらに、入所保留通知におまけのように書いてあった不服申立(審査請求)について聞きました。結果、不服申立をしても何も変わらないそうです。何のための制度なんでしょうか。不服申立をしたことで、結果も変わらず、逆にクレーマーの烙印押されるだけなら、誰もやりませんよ!

とりあえず二次募集はありますが、「まあぼさんちの点数だと正直難しいと思いますので…」と、認可外園の一覧を出してきて、「市の管轄ではありませんので、問い合わせはご自分でしてくださいね」と。

……わたし、きちんと納税もしてるし、市に迷惑かけてませんよ?困り果てて、助けてほしくて相談に行ったのに、『あなたの子供はいらない、あなたには働く権利はない』と言われている気がしてしまいました。

「そんなに困ることですか?育休延長したらいいんじゃないですか?」

さらに、こんなことも言われてしまいました。それができないから相談に来てるんです。確かに、保育園入れないなどの理由で育休延長を認める制度は存在します。ただその制度に守られている立場の人は、ほんの一握り。

しかし、守られていない人はたくさん存在します。もしパート社員である筆者が「育休延長したい」と相談しても、代わりはいくらでもいるから無理しなくていいよ、と体よくクビになるのが容易に想像できてしまいます。でもそれを訴えても「今どきそんなこと言う会社、あるんですね~。」と…。

市役所の方々に相談しても理解してもらえないんだ、じゃあ誰に相談すればいいんだろう、という気持ちが生まれ、悲しくなりました。社会の末端では、そんな制度は機能していないも同然なのに。

第1希望の保育園に直談判

動き出すと同時に、情報収集も始めた筆者。グループライン等を駆使し、様々な人に助けを求め、様々な情報を集めました。その中にあった『保育園に直談判したらどうにかなるかも』という意見。実際、息子のお友達の中にはそうやって入園したという子もいました。

早速第1希望の保育園に連絡し、園長先生にアポイントをとりました。お会いして状況を説明し、何とかなりませんか、とお願いしてみましたが、結果は撃沈。保育園の入所者を決めるのは、すべて市役所なので、園長先生は何も決められないのだそうです。

「一昔前はそんなこともありましたけどね~、今はどうにも出来ないんですよ。今年は本当に、今までにないくらい申し込みが殺到してしまって…」と。しかし、我が家の点数の低さも心配してくださり、「点数表が公開されているから何か加点できそうな項目を見つけて、2次募集と来年度の申込みで頑張ってみて」とアドバイスをいただきました。

何とかなるかも…という淡い期待は砕け散りましたが、今後の対策や、園長先生のおすすめ認可外保育園の情報などを教えていただき、心が少し軽くなりました。

認可外保育園・2次募集を行う園への問い合わせと見学

さらに同時に、認可外保育園、通えそうな範囲のところに片っ端から電話をしました。そしてここでも保活激戦が起こりつつあることを知りました!認可保育園に落ちた人たちが、筆者と同じ行動に出ていたのです。

すでにキャンセル待ちという園もありましたし、料金的に高くて無理だな…という園もありました。その中から、2~3園を仮おさえしました。また筆者の勤務先には社内保育園があるのですが、 料金も高く、あまり評判も芳しくないので利用する気はありませんでした。そのためおさえておかなかったのですが、それも失敗でした。ここも今までにないくらい申し込みがあったそうで、キャンセル待ち。年度途中の入所は難しいですね…と断言されました。とりあえずキャンセル待ちの申込をしました。

また、2次募集を行う園の見学も始めました。2次募集は年明けすぐに開始となるので、こちらも待ったなしです。0歳児の2次募集をする園はただでさえ少なく、あっても会社・自宅からはかけ離れた場所。もし受かっても通い続けるのは難しいかも、と思うような場所ばかりでした。

それでも夫と筆者それぞれの通勤路及び自宅付近の園の場所確認、通園にかかる所要時間の確認、園の様子など、限られた時間の中、協力して調べました。

筆者と娘の現在

娘は現在、筆者の職場近くの認可外保育園に通っています。結局認可園の2次募集もすべて落ち、この形に落ち着きました。ただ前述のとおり、今までにないくらいの保活激戦勃発という背景から、本来の希望よりも早い時期からの入園を求められました。少しでも多く利益を生むためなのでしょう。

本当は娘が1歳になる、年度途中の入園を考えていたのですが、入園希望の方には年度初めの4月入園をお願いしている、年度途中だと枠確保の約束は出来ない、となんとも世知辛い通告をされ、渋々4月入園を決めました。

それに伴って保育料を払わなければならなくなったので、筆者の職場復帰も早めざるを得ず、慣らし保育を経て、6月に復帰しました。職場からは、早い時期の復帰ということで喜んでもらえました。

認可外保育園のいいところも見られた

筆者が、職を失うかもしれないという恐怖心から、復帰を早め、娘を予定よりも早く入園させたことは、今でも正解かどうかわかりません。

でも娘は低月齢のうちに入園したおかげで、園や先生に慣れるのも早く、楽しそうに保育園で過ごしています。小規模の乳児園なので、1人1人への対応がきめ細やかで、離乳食も段階別に全て手作りしてくれます。園庭は狭いですが、晴れた日は近くの公園にお散歩に連れていってくれます。通ってみて、子供が小さいうちは、むしろこういう園の方が良かったかもしれない…と思えるようになりました。

娘は今現在、認可園の待機児童です。今通っている園は2歳児までなので、年少になる時には必ずどこかへ転園しなければなりません。そして10月から始まる幼保無償化の恩恵を受けるためには、なんとしてでも年少までに認可園に入らなければ。そんな事情から筆者の保活はまだまだ続きます。

待機児童だけじゃない。それぞれの家庭に寄り添った支援を

少子化に何とか歯止めをかけようと、産めよ増やせよ、とこの国は女性にプレッシャーをかけてきます。それなのに、産んでもそのあとのフォローが十分でない。第3子への支援策はいろいろとあるようですが、3人産まないと支援してくれないのでしょうか。

共働きの正社員の家庭の子供が保育園に入れば、両親は仕事に打ち込めます。そこになんでも頼れるスーパーおばあちゃんの存在があったら、なおのこと仕事に集中できて、家計は潤う。

でも筆者のように、妻がパートタイマーの家庭の子供が保育園に落ちたら、場合によっては妻は仕事を失うかもしれない。祖父母に頼れず、全部夫と自分でどうにかしなければならないから、融通の利くパートを選ぶ妻も多いはず。夫一人の稼ぎでは生活できないから働きに出ているのに、保育園問題で妻が仕事を失ったらさらに家計に大打撃。貧富の差が拡大する。弱い立場の人を守るのが政治なのではないのでしょうか…?

こうなってくると、そもそもの選考基準とか、認可・認可外といった線引きの仕方にも疑問を抱いてしまいます。どうしても…。

まとめ:保活のポイント。保育園に落ちてみて分かったこと

体験談ばかり長くなりましたが、短期間に世知辛い思いをしつつ、何とか預け先を見つけた筆者が、この経験から導きだしたポイントをまとめます。

  • 子どもができてかつ働き続けたい気持ちがあるならば、お腹に命を授かってすぐに動き始めましょう。レッツ保活!
  • 人との繋がり・ネットワークを大切にしましょう。
  • 普通だと思っていたことが、普通ではないことを自覚しましょう。
  • 保育園選びで大切なのは、自分が何を重視するかという自分軸。
  • 保育園の見学は必ず行きましょう。
  • 認可外保育園、なかなかよいところです。
  • 会社には、段階をふんで報告・連絡・相談を忘れずに。円満な関係をキープしましょう。

最後に…

認可でも認可外でも、平等に支援を行ってほしい。むしろ、幼保無償化を導入するのは、認可外の方を先にすべきだと筆者は思います。好き好んで認可外に入れている家庭はそう多くない。認可園に落ちたから、仕方なく認可外に、という家庭が多いのではないでしょうか。

このままでは、とても安心して子供を産み育てられる社会の実現には程遠いでしょう。出生率も横ばいのままでしょう。守られていない弱い立場の人達の声は、どのようにしたら行政に届くのでしょうか。