マシュマロ実験と家庭内起業の事例から考える、子どもの「おねだり」との付き合い方

子どもと買い物に行くと、「買って買って」攻撃にうんざりしてしまうことってありませんか?お菓子やおもちゃやゲーム…。全部を買っていたらお金はなくなるし、家はごちゃごちゃするし、大変です。物じゃなくても「ペットが飼いたい」「習い事がしたい」「お姉ちゃんばっかりずるい」など、子どものおねだりってキリがないですよね。

そんな時に必要になるのが「我慢」すること。親は「我慢しなさい!」と叱ることも多いはず。でも、あまり意味がないんですよね。次の日にはまた買って!と言ったり、我慢できずに暴れてしまったり。そんなパパ・ママ泣かせの「おねだり」ですが、どのように対処するべきなのでしょうか?わがままを言わないようにさせる?我慢を身に付ける?

今回は、子どものおねだりとの付き合いや、我慢の育て方、子どもと我慢の関係などをお伝えしていきます。私と同じように「おねだり」について悩んでいるママに、ぜひ参考にしてもらえればと思います。

子どもにとって「我慢」が難しい理由

子どもが我慢をしなければいけない場面はたくさんあります。

  • おもちゃが欲しいけど、手に入らないから諦める
  • 食べたいけど、もうすぐご飯だからやめておく
  • 遊びたいけど、友達が使っているから空くまで待つ

うまく我慢できれば良いですが、時には自分の思うままに行動してしまうこともあります。そんな時、親はつい「我慢しなさい!」と怒ってしまいますよね。

大人は「ここは我慢しなければいけない場面」だと簡単に判断できます。しかし、子どもの脳はまだ発達途中。

  • ここは我慢をするべき
  • ここでは思い通りにして良い

という区別がつきません。成長と共に「あれがやりたい、こうしたい」といった主体性も出てくるので、余計に難しくなります。我慢ができないのは、当然なんですよね。

子どもは親から「我慢」を学ぶ

子どもが我慢ができないのは、仕方のないこと。でも、これから集団生活をしていくためには我慢することも必要です。お友達や先生との関わりでも、我慢が大切な場面も多くなります。

子どもは親から「我慢」を学びます。一番身近にいる大人であるママ・パパは子どものお手本。口癖などもすぐにマネしませんか?子どもはけっこう親の行動を見ているものです。そのため、子どもに我慢を教えたいなら、まずは親が我慢できるようにしましょう。

  • 子どもが失敗しても怒らない
  • 子どもがワガママを言った時には、理由をきちんと聞く
  • 子どもが甘えたい時には甘やかす

もちろん、我慢と言っても子どもの言うことを何でも叶えてあげるわけではありません。子育ては、ついイラっとしてしまうことばかりですが、そんな時にちょっと「我慢」をして理由や原因を考えてみましょう。

親が、必要な時に我慢をしている姿を見せることで、子どもの「我慢の力」も成長していきます。我慢強い親=寛大な親でもあります。だからと言って、何でもかんでも我慢してストレスを溜めないでくださいね。

必要な時に必要な我慢ができる。

これが親子でできるようになると良いですよね。

「我慢する・自制する」とはどういうこと?

我慢する力は「自制心」と呼ばれます。大人にも子どもにも必要なスキルですね。この「自制心」を調べるために、アメリカである実験がおこなわれました。

アメリカのマシュマロ実験

当時4歳の子ども達186人を対象に、今から40年以上前に実施されたもので、現在でも「自制心」の実験としてよく知られています。

  • 子どもは1人ずつ教室に入り、椅子に座る
  • 机の上に1つのマシュマロが置いてある
  • 「このマシュマロを食べても良いけど、戻ってくるまで我慢できたら、もう1つあげるよ。戻ってくるまでに食べたら、2つ目はあげられないよ」と言い部屋に一人にする(15分間)

目の前に美味しそうなマシュマロがあるけど、15分間食べずに我慢したらもうひとつもらえる…。大人の私でも我慢できるか分からないので、4歳の子どもにとってはけっこう厳しい条件だと思います。

マシュマロ実験についてはこちらのページを参照させて頂きました。→マシュマロ実験で判明!学力に重要なのはIQより〇〇

マシュマロ実験の結果

マシュマロ実験の結果は

  • 3分の2の子どもはマシュマロを食べた
  • 3分の1の子どもは食べずに待っていた

半数以上の子は、やはり我慢できずに食べちゃったということ。4歳ですから、この数字にも納得です。ところが、この実験はさらに追跡調査があり、その結果が興味深いんです。

マシュマロを食べずに我慢した子の多くは、学校に入った後に優秀な成績を残し、大学進学の試験でも高い点数を出しました。そして、小さい頃の自制心は大人になっても続くことも分かったのです。

すぐにもらえるご褒美が有効

その後、マシュマロ実験をさらに研究した結果が発表されました。(参照ページ→「子どもが将来社会的な成功を収める」ために必要なこととは?

シカゴ大学の研究者によると、「すぐに成果が得られる行為(即時報酬)」は「成果までに時間がかかる行為(遅延報酬)」よりも持続性が高いそうです。また、長期的な目標を達成するために我慢を続けるには、すぐにできる楽しいことが大切ということも分かりました。

分かりやすく、研究の結果をまとめると

  • 長期的な目標だけでは「我慢」は続きにくい
  • すぐにもらえる小さなご褒美があると、我慢できる

マシュマロ実験でも、食べるのを我慢できた子ども達は、目の前のマシュマロを見ているだけでなく歌を歌ったり、頭の中で楽しいことを考えたりしていたそうです。大きな目標(2つ目のマシュマロ)のために、すぐにできる小さなご褒美(歌や楽しい想像)を自分で用意していたんですね。

子どもの我慢を育てるためには

  • 嫌なことを無理やり続けるのはNG
  • 小さくても、すぐにもらえるご褒美が有効

ということです!

小さなご褒美は、おもちゃやお菓子のことだけではありません。もちろん、それも子どもが喜びますが

  • 親から褒められる
  • すごい!よく我慢できたね!と言われる
  • 楽しく遊ぶ

なども立派なご褒美になります。

小学1年生で家庭内起業!

すぐに得られるご褒美(即時報酬)の例として、面白い記事があったので紹介しますね。

note:小1起業家 〜900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業〜

小1の息子さんは、ポケモンカードゲームにハマっていました。でも月に100円のお小遣いだけでは、1パック150円のカードはたくさん買えません。どうすればお金を増やせるか。パパは息子さんに「おこづかい講座」を開きました。講座は1ヶ月分のお小遣いと同じ100円。彼にとっては大金ですが、ポケモンカードのため講座を受けることに。

  • お金の使い方は投資・消費・浪費に分けられる
  • 講座を受けるための100円は投資
  • お金を稼ぐには、ターゲットの困りごとを見つける(彼の場合は、ママ・パパがターゲット)
  • どこにビジネスチャンスがあるか、ターゲットをよく観察する

講座の内容はこんな感じでした。

講座の中で、息子さんはパパと一緒にお金を稼ぐ方法を考えます。「ターゲットの困りごと」と「小1でできること」を組み合わせいくつかの方法を見つけます。検討の結果、彼は「マッサージとコーヒー屋」をやることに。

そこから、事業計画を練り、お年玉の貯金やパパからの借金(900円)を使いながら実行していきます。コーヒーをいくらで売れば良いのかを計算して、ドリップの練習をして…。そしてついに小1のコーヒー屋さんがオープンしました。

メニューも手書きで用意し、コーヒー以外にもジュースやお菓子とのセットなども販売。チケットも作りました。そして、売り上げはきちんと帳簿につけて管理します。

コーヒー屋さんを続けていくと、借金も返済できて2ヶ月後には80円の黒字達成!さらにオープンから3ヶ月後には1150円の利益が出ました。現在2年生になった息子さんですが、現在もコーヒー屋さんは続いています。

おねだりと家庭内起業

コーヒー屋さんを開いた息子さん。最初は「ポケモンカードが欲しい」というおねだりでした。しかし、親に言っても買ってもらえない。そこで、ただ我慢をして諦めるのではなく、お金を増やす方法を考えて実行していきました。小1とは思えない行動力ですよね。両親の対応も素晴らしいと思います。

子どもにおねだりをされたら、ただ「我慢しなさい」と言うだけでなく、すぐにもらえるご褒美を用意してみるのも方法のひとつ。この場合は「コーヒー屋さんを開く」という、楽しくてワクワクするような経験がご褒美になっていました。小さなご褒美を得ることで、自制心が育ち、我慢する力にもつながります。売上金こそわずかですが、少しずつ増えていく小さなご褒美となっていますね。

おねだりには、親の我慢とご褒美を

子どものおねだりに困っているパパ・ママも多いと思います。そんな時、つい「我慢しなさい!」と怒ってしまいそうになりますが、ちょっとした工夫で自制心を育てていくことができます。

大人でも我慢は難しいもの。子どもは親をお手本にして、我慢する力を育てていきます。まずは、大人が我慢するところを見せることが大切です。生活の中で、我慢が必要なこともあるんだよ~と教えてあげると良いですね。

また、マシュマロ実験では、子どもの頃の自制心が大人になってからも影響すること、小さなご褒美が有効であることが分かっています。大きな目標だけでなく、すぐに効果を感じられるようなものを用意すると、我慢ができるようになります。子どもが自らやりたくなるようなユニークな方法を見つけて、親子で一緒に、楽しく自制心を育てていきたいですね。